<ウチダゴウ「あとがき」より>
たとえどうしようもない世界でも、「いまここに自分があること」から決して離れないでおくこと。目の前の課題がこれですぐに解決するわけじゃないけれど、自分の存在感を失わなければ、この世界が悲しいだけじゃない、切ないだけじゃないこともわかってきます。時間がかかるかもしれない。でもそれは「時間をかけて」ゆく必要がある、という示唆ともとれる。
自分のすべてを、ゆっくり時間をかけて、伝えてゆく。その過程で「自分がいまここにある」と感じ取れたら、その棲み家である世界のことも、少しずつ愛することもできるかもしれない。ぼくらにはまだ、そういう生きかたも残っていると思うのです。
かたりべからす 世界の愛しかた伝えかた (作・絵)ウチダゴウ
¥330価格
<発行>
2009年11月23日
<判型:頁数>
A5判:32
<ISBN:Cコード>
978-4-9901663-5-9:C0036