<辻信一「はじめに」より>
ナマケモノという動物との出会いを心から面白がったり、「スロー」というコンセプトについてぼくと何日もかけて、ああでもないこうでもないと議論したり。中村さんはホントに変なビジネスマンです。この人と読者の方々に出会っていただきたいというのが、この本の大きな目標です。
ビジネス、もっと言えば仕事というものの全体。これをとりまく日本の雰囲気はとっても悪いもので、中村さんほど楽しそうにビジネスをしている人をあまり見たたことがない。「私はビジネスが好きなんです」と彼が本当にうれしそうに言う時、ぼくらはしまい込んだまま忘れていた素敵な宝物を引き出しの奥から見つけ出したような気持ちになります。
< 中村隆一「おわりに」より>
歳をとるごとに、親しい人を亡くすことが多くなっています。その度に私が思うことは、その人が幸せな人生を過ごせただろうか、ということです。広大な宇宙のなかの奇跡の星に、人は生まれ、そして、誰もが死んでいきます。はかない存在であるからこそ、人は幸せを求めて生きるのだと思います。そして人は、何かの役に立つことを求めています。誰かの役にたっていることに歓びを感じます。
だから、私は、スロービジネスが成り立つことを信じています。そしてそれが、スローライフとスローな社会を広げていく鍵になると思っています。
【もくじ】
はじめに 辻 信一
序 松下竜一さんのこと
第 1 章 有機農業を志す
第 2 章 ビジネスを起こす
第 3 章 カルロスさんとスロービジネスをつくる
第 4 章 フェアトレード論
第 5 章 スロー・ムーブメント
第 6 章 ぼくらの起業
第 7 章 スロービジネス論・1 暮らしとしてのビジネス
第 8 章 スロービジネス論・2 人間らしい仕事
第 9 章 スロービジネス論・3 快楽としてのビジネス
おわりに 中村隆市
スロービジネス (著)中村隆市+辻 信一
<発行>
2004年10月22日
<判型:頁数>
B5判 :208
<ISBN:Cコード>
4-9901663-1-0 :C0033
<装丁>
山中うさ吉
<絵>
ミヤケマイ