


NATURAL FARMINGNG
A REGENERATIVE WAY OF LIFE
一本の稲に心が動く
そこに自然農のすべてがある
この一穂に感動する心さえあれば希望はある

耕さない、草や虫を敵としない、肥料を持ちこまない、を基本とした「自然農」を確立し、全国から学びを求めてくる人に分け隔てなく「自然農という生きかた」を伝え続けてきた川口由一さんに、ナマケモノ教授こと辻信一さんが、自然農とは何か?、自然農という答えにたどりつくまで、漢方と自立への道について、じっくりお話を伺った対談集。
リジェネラティブ(大地再生)農業を先駆的にとりくんできた川口さんのいのちの道、人の道、我が道を追求する生きかたは、今、答えを求めている多くの人々に、背中を押してくれる一冊となる。
2011年に大月書店より刊行された『自然農という生き方』に、亡くなられる半年前(2022年11月)、奈良のご自宅を訪ねてのインタビューを含んだ、待望の増補改訂版。
■もくじ
はじめに 辻信一
第一章 自然農はいのちの道
土はいのちたちの歴史
「耕さない」が恵みをもたらす
「見事に生きる」
「足るを知る」生きかた
100%自力、100%他力
いのちの道をはずれない
いのちの道、人の道、我が道を生きる
自分の主になる
孤立を恐れない
幸せはどこにあるのか
第二章 美しい生きかたを求めて
戦争と家族
子ども時代
農家の跡とりとなる
芸術家になりたい
美醜の別を身につける
自然農に反対をした母親
自分のやり方で自然農にとりくむ
お金は後からついてくる
子どもの誕生
第三章 答えはここに
漢方医療と病からの自立
弱さ、強さ、そして病
投げださないで
分を生きる
再び、強さと弱さについて
生きるのも、死ぬのもいのちの営み
若者よ、答えはきみのなかにある
自然農という生きかた
おわりに川口由一
川口さんの遺言ーー希望はある、すぐ足もとに
<2022年11月、奈良・桜井の川口宅にて>
永遠に生きるかのように学ぶ
自然農は農民だけのものじゃない
教えはあちこちで生きている
死ぬまで成長したい
小さき者の小さき行いにこそ真がある
あなたが気づいた時が、ちょうどよいときである
あとがき辻信一
■川口由一氏プロフィール
1939(昭和14)年、現在の奈良県桜井市に生まれる。1970年代より無農薬、無肥料、不耕起を基本とする農業を始め、試行錯誤の末、「自然農」を確立。農薬被害による病の克服を目指すなかで漢方医学と出会う。以来、農と医療の両面から生命の営みに沿った生き方を模索、実践してきた。 1980年代後半より、雑誌『80年代』への連載や自然農田への見学会を開始。以後、「妙なる畑の会」(奈良県桜井市)、「赤目自然農塾」(三重県名張市と奈良県宇陀市にまたがる)、漢方学習会(奈良県桜井市)などの学びの場を通じて後進の指導にあたり、広く”自然農という生きかた”を伝えてきた。
主な著書に、『妙なる畑に立ちて』(野草社)、『自然農にいのち宿りて』(創森社)、『自然農と漢方と:いのちに添って』(言視舎)、死後間も なく出版された『傷寒論を読む』(言視舎)など。
映像作品に、ドキュメンタリー映画「自然農 川口由一の世界 1995年の記録」(配給・制作:
グループ現代、1997年)、「川口由一の自然農というしあわせ with 辻 信一」(配給・制作:ゆっくり堂、2011年)、「Final Straw 自然農が教えてくれたこと」(監督:パトリック・ライドン&姜受希、配給:City as Nature、2015年)など。このうち、「川口由一の自然農というしあわせ」と「Final Straw」は、英語版、韓国語版がある。また、本書の前身となる『自然農という生き方ーいのちの道を、たんたんと』(大月書店、2011年)は、中国語、台湾語、韓国語に翻訳出版された。
2023年6月9日、桜井の自宅にて永眠。
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